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2018年の夏は異常というぐらいの厚さが続きますね。体調など崩されていませんでしょうか?
受験生の皆さんは、いよいよ二次試験に向けての勉強が軌道に乗り始めた頃かと思います。
今回は、「読み・書き・考える」のうち、前回の「読む」編に続き「考える」編と題して、考えるプロセスについてご説明をしていきたいと思います。
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設問要求から回答の枠組みを考える
設問文を読み込んで、複数の解釈をすることに関しては前回ご説明しました(ご覧になっていない方は以下の記事をご覧ください)
複数の解釈をしたら、今度はその内容を解答に合わせてカスタマイズしましょう。たとえば、平成29年度の事例Ⅱの第1問は以下のような設問でした。
B 社について、現在のa)自社の強みとb)競合の状況をそれぞれ 60 字以内で説明せよ。
どのようにカスタマイズできるでしょうか。私の場合は、問題用紙の余白に以下のように下書きをします。
重要なのは「現在の」という制約条件ですね。またa)自社の強みは、与件文に書いてあるケースがほとんどなので、与件分から抜き出せばよいでしょう。一方、b)の競合の「状況」という部分がかなり曖昧です。「状況」に何を答えればよいのかよくわからないので、仮置きでa)と同様に競合の強みや弱みを書くと仮置きしておきます。また、60字で解答する必要があることから、自社の強みや競合の状況については2つ程度盛り込めればそこそこ埋められると想定しておきます。
設問を読み込んだ段階で複数の解釈をしておけば、解答を考える際にも上記のように幅をもって考えることができます。この、幅を持たせるということが重要です。与件には何が書いてあるかわかりません。与件でどんなことが出ても対応できるようにある程度の幅をもって考えておきましょう。
与件から解答に使える要素を考える
設問文を複数解釈して解答の枠組みをある程度作ったら、今度は与件から解答に使える要素を考えます。ここで重要になる考え方は、
「与件に書いてある限り、無駄な一文はない」
ということです。私は与件を読みながら、「この一文は第何問の回答に使えるな」という風に設問と与件を紐づけるようにしていました。すると時々、「この一文はどの解答にも使いそうもないな。何のためにあるんだろう?」と悩む一文に出くわすのです。しかし先ほど申し上げた通り、無駄な一文はありません。必ずどこかで解答に使うはずなのです。そうでなければ出題者はその一文は無駄なので削除するはずなのです。あえて載せているということは、必ず解答に使ってほしいという意図があるのです。ですから、悩んでもどこかで必ず使うのだという考えはもっておきましょう。
具体的にどのように考えるかは、基本的には先に作った設問要求に対する解答の枠組みに沿って考えます。平成29年度の事例Ⅱの第1問であれば、
B 社の/現在の/強み
を60字なので2つ程度与件から探しましょう。ほぼ確実に書いてあるはずです。もし書いてなくても、「過去から培ってきた~~~」や、「****で顧客に評価されている」などの記述があればそれは強みであると考えて間違いないでしょう。
また、もう一つの
B 社の/競合の状況
についても、与件に書かれてあるはずです。「状況」という言葉が非常にあいまいなので何を書けばよいかわかりませんが、現在の競合がどこで、そこがどのような攻勢をとっているかなどがもし書いてあれば、それを60字以内で書くことになります。
また、強いてあげるとすれば、B社の強みに関連した競合の情報が書かれている可能性も検討した方がよいかもしれません。B社の強みがもし過去から現在にかけて変化しているとしたら、それに伴って競合も変化をしているはずです。あるいは、B社の強みが過去から現在にかけて変わっていないのであれば、一貫した強みが競合にどのような影響を与えているかを読み解くとよい、ということになります。
解答に使える要素を論理的につなげる
最後に、解答に使える要素をピックアップできたら、それらを解答用紙に書けるように論理的につなげる必要があります。
ポイントは、
「結論から並べろ」
です。予備校によっては、「結論から書いてもし間違っていたら、それ以降の分を読んでもらえなくなるリスクがあるので、結論は最後に書くように」と指導しているところもあります。しかし、これはケースバイケースです。
たとえば、先の設問のように60字で書くことを求められた場合は、結論から書かないと簡潔に60字にまとめるのは困難です。一方で、200字で書く設問だった場合は、結論は最後に回しても良いかもしれません。200字ではどのような文章構成を取ればよいかが考えづらく、他の受験生の回答の仕方もばらつくと考えられるからです。
そのうえで、私が「結論から」と言っているのは、結論から述べてそのあとで理由を述べるようにするトレーニングをしておかないと、論理的に並べる力がつかないからです。本試験はものすごいプレッシャーの中での戦いになります。しかも毎年全受験生を悩ませる難問が必ず出ます。そのような設問に当たった時に、結論を最後に書くにしても、論理的に言葉を紡いでいく必要があるのです。だから、トレーニングではかならず結論から考えるようにしてください。
どのようにするかというと、平成29年度の事例Ⅱの第1問であれば、
- 「B社の強みは、睡眠状況を聞きながら商品を進める接客と手作りのノベルティ、シルバー世代に関する顧客データベースである」(57文字)
- 「競合は幹線道路沿いの大型スーパーで、高品質な商品が少なく、従業員もほとんどおらず、顧客に十分な説明ができていない。」(57文字)
という感じです。
結論から書くためのコツは、設問を複数解釈して回答の枠組みを考えるときに、結論から下書きをしてしまうことです。これによって、強制的に結論から書く癖が身に付きます。本番でどうするかは別として、論理的に書くことのトレーニングとして結論から書くことは必ずやるようにしましょう。
次回は「読み、考え、書く」プロセスのうち、最後の「書く」についてお伝えしようと思います。
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