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テレビではサッカーワールドカップやテニスのウィンブルドンが盛り上がっている2018年夏。素晴らしいプレーに感動した方も多いことでしょう。主な情報源であるテレビでは、素晴らしいプレーや、プレーやスコアの背景の解説があちこちのチャンネルで行われています。
しかし、勝利に至った戦略が、どのような戦略的意図で行われ、そしてビジネスにどのような点を活かすことができるかを解説してくれるメディアは皆無です。なぜなら、メディアは「スポーツ好き」をターゲットにしているのであって、「戦略家」や「マーケター」をターゲットにはしていないからです。ここでは、私が実際に体験したテニスの試合から、営業戦略について考えてみたいと思います。
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ポイントを取るまでのシナリオとパターン
テニスの試合は、プロや実業団でもない限り殆どが1セットマッチ(6ゲーム先取+α)で行われます。1ゲームは4ポイント先取です。平たく言うと、4×6=24ポイントを先に取ったほうが勝ち、というゲームになります。
試合はサーブから始まり、ボールをコート外に出すか、ネットにかけるかまで続きます。簡単に言ってしまうとそれだけなのですが、ポイントを取るまでのパターンが無数に存在します。代表的なものだけでも以下のパターン。テニスがはじめての方は、これだけのパターンがあるんだなぁ、ぐらいに見ておいてください。
- サーブを深いところに入れて浮いてきたリターンをストレートのオープンコートに叩いてポイントを取る
- サーブを相手のバックサイドに入れて上がってきたロブをスマッシュで叩いてポイントを取る
- 浅めのサーブをセンターに入れてリターンをボレーで叩いてポイントを取る
- リターンをライジングで叩いて返ってきたボールをボレーで叩いてポイントを取る
- リターンをストレートにロブで返し、その隙にネットに出て浮いてきたボールをボレーかスマッシュで叩いてポイントを取る
このパターンを沢山自分の中に持っているとプレーの幅が広がって、様々な試合展開を主導することができます。さて、これらをちょっと抽象化すると以下のようになります。
攻めどころを見極め、自分の得意なショットで相手の弱いところをついてポイントを取る
受注するまでのシナリオとパターン
さて、上記の「攻めどころを見極め、自分の得意なショットで相手の弱いところをついてポイントを取る」。これを営業に当てはめてみましょう。
- 顧客の問題点を理解し
- 競合への優位性と自社にしかない強みを言語化し
- いくつかの提案オプションを作り上げ
- 顧客の問題を解決する提案をする
- 競合との最終的な競争要因に勝つための最後の押しを行って受注につなげる
という感じになります。
ここでいちばん大事なのが、1.顧客の問題点を理解すること です。テニスの試合においては、対戦相手の問題点を事前に確認して攻めどころの当たりをつけておくことにあたります。ビジネスとスポーツで違う点は、ビジネスにおいては顧客の問題点を解決するのが仕事になりますが、スポーツにおいては相手の問題点をついてポイントを取ることですね。むしろ、スポーツで取る戦略はビジネスにおいては競合に対する打ち手に当たります。
弱点を常に探すことが最も重要
テニスにおいて攻めどころを見極めること、そしてビジネスにおいて顧客の問題点を理解することは、対戦相手そして顧客の弱点を見極めることに他なりません。ビジネスの場合は競合もいますから、競合の弱点を見極めることも必要になってきます。
この弱点を見極めることが一番重要なのです。なぜなら、弱点こそ顧客の抱えている問題点であり、解決してほしいポイントだからです。
では、どうやったら弱点を見極められるかというと、弱点の反対、強みを見つけることです。強みは、顧客企業のさらにその先にいる顧客にとって多くの評価を得ているポイントです。しかし、裏を返すと、その他の顧客にとっては評価を得ていないポイントともいえます。
ある人から見て強みだと思える点も、別の人から見たら弱点と映るということですね。この弱点こそが攻めるポイントです。
たとえば、電子商取引の世界的企業になったAmazon。目的買いをする人にとっては絶対的というほど信頼の置けるものですが、本屋さんをぶらついて関連する書籍を立ち読みしながら自分の一番ほしい本を見つけたい人にとっては特に必要がないサービスということになります。ここがAmazonの死角。そのような人をターゲットにしたサービスとして、ツタヤとスターバックスがコラボしたカフェなどがあります。
このように、どんな強者であってもかならず弱点はあります。その弱点を探して攻めること、これが最も重要です。
スポーツでもビジネスでも弱点を探してそこを突くのは定石です。裏を返すと、この作業をやらないと絶対に負けます。100%負けます。ですから、弱点をどう攻略するかをまず第一に考えるようにしましょう。
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