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運営管理は大きく生産管理と店舗・販売管理の2つに分かれていますが、もう少し広く捉えると、生産や店舗に限らず「作業やオペレーション」に関わることすべてを扱っています。
ですから、営業や企画業務の人でもこの分野を学習することによって、ご自身の会社の仕事のやり方を大きく改善させることが出来る可能性があります。ちょうど国が働き方改革を推進している2017年現在、ここで得た学びを仕事に大いに活かせることでしょう。
さらに家庭に話を広げてみると、効率的な掃除の方法や、19時に4品を食べごろの状態で作り上げるための料理の段取りなどにも応用をすることができます。こう考えるととても身近な科目ですよね。早速どのように攻略していくかについてご説明します。
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店舗販売管理よりは生産管理を重点的に
運営管理は、大きく以下の2つに分かれています。
- 工場内配置や生産方式、在庫管理などの生産管理
- 店舗設計やマーチャンダイジングなどの店舗・販売管理
私が受験をした時の傾向ですが、運営管理では店舗・販売管理よりも生産管理のほうが出題される問題数が多いです。これは、日本の中小企業の大半が中小製造業であり、生産の効率化によって業績を拡大できる余地があること。そして店舗・販売管理はマーケティングに近い要素が含まれており、企業経営理論とも重複する点があるためです。
また、生産管理のほうが計算も含めて作問しやすいというのもあるでしょう。ですから、店舗・販売管理よりも生産管理の方に重点を置いて学習をしたほうが点数が伸びる可能性が高いです(もちろん、手を抜いていいわけではないですよ。両方できる必要はありますが、生産管理の方をより重点的に、という意味です。)
覚えただけ点数につながるから頑張って覚えよう
運営管理は企業経営理論のように抽象的な論点は少なく、内容は「具体的」です。ですからとてもイメージがしやすいと思います。内容が具体的であるため、試験の問題も具体的であり、企業経営理論のように抽象的でわかりづらい問題はあまり出ません。
試験の問題を見ればテキストのどのあたりからの出題かはすぐわかるぐらいのレベル感です。したがって、頑張って勉強をしただけ点数につながります。極論すれば試験直前期に集中して詰め込む追い込みも効果があります。
たとえば、平成19年の第7問は以下のような問題でした。
作業現場の管理における5Sに関する記述として、最も適切なものはどれか。
- ア
「気がついたときに機械についている汚れを拭いている」、これは、「清潔」である。- イ
「捨てていいものと保管しておくものを区別するために、ルールを作り守るようにした」、これは、「躾(しつけ)」である。- ウ
「机の上にあった書類の中でいらないものを廃棄した」、これは「整頓」である。- エ
「机の上の文房具を取りやすいように並べて立てておくことにした」、これは、「整理」である。
このような問題に対し、作業現場の管理における5Sについて調べてみると、以下のような感じです。
- 整理:必要なものと必要ないものに区別して要らないものを処分すること
- 整頓:必要なものを、必要な時に、誰でも使えるようにすること
- 清掃:必要なものから必要でないものをとりのぞき、職場・作業場をきれいに維持すること
- 清潔:整理・整頓・清掃が維持管理できる仕組みをつくり、職場を正常状態に保つこと
- 躾:ルールを守り、自主自律的に整理整頓清掃清潔を推進できる人材を育成すること
これらのことから、
- ア → 清潔ではなく、清掃です
- イ → 正解
- ウ → 整頓ではなく整理です
- エ → 整理ではなく整頓です
という具合に、「きちんと知っていれば」わりと簡単にわかります。一方で、「なんとなく知っている」では失点します。この点が抽象度の高い企業経営理論とは違う点ですね。「知っているかどうか」で点数が左右されるわけですから、直前期まで諦めずに細かい論点まできちんとインプットをしましょう。ご自身でその論点が説明できるようになるとベストです。
計算問題はラッキー問題!絶対に落とさないように
具体的な問題がよく出題されますから、計算問題も2,3問出題されます。しかも、学習したことのない内容はまず出ないといって問題ありませんので、完璧にすべて解けるようにしておきましょう。
- ラインバランシングにおけるピッチタイムの計算
- ラインバランス効率とバランスロス率の計算
- ステーション時間の計算
- 運搬活性指数の計算
- 生産スケジュールの計算
- アローダイヤグラムを用いたボトルネック行程の計算
- 需要予測計算
- 安全在庫や発注点の計算
- 年間在庫費用や年間発注費用の計算
- ライリーの法則、ライリー&コンバースの法則、コンバースの法則の計算
- GMROI、交差比率の計算
- 在庫高予算、仕入高予算の計算
- PI(Purchace Incidence)値の計算
上記でだいたい網羅していると思います。計算問題が解けるということは、その前提となる理論や知識がきちんと身についている(「理解」ではなく「身につく」レベル)ということです。公式を丸暗記するだけではなく、なぜその公式になっているのかまで辿って論理的に理解をするようにしましょう。そのほうが忘れにくいからです。
できるだけ多くの問題に触れよう
企業経営理論の対策では、「問題の数をこなすより1問にじっくり取り組もう」と書きましたが、運営管理はどれだけ「キチンと知っているか」が鍵になりますので、できるだけ多くの問題に触れるようにしましょう。
中小企業診断士試験対策の基本として「演習の回転数よりも正答率にこだわろう」と書きましたが、運営管理では回転数もできるだけ上げたほうが良いです。極論すれば、知識のインプットはざっくりやってある程度理解できたらすぐに演習に取り組んでも良いぐらいです。
大事なのは、演習の解いて合っていても間違っていても解説をしっかり読んで理解し、その後テキストに戻って周辺知識を補完すること。問題集や過去問とテキストの間を行ったり来たりして忙しくなるのが運営管理の勉強スタイルだと思います。
毎年科目ごとに難易度が変化し、単に知識を増やすだけではどうにもなりづらい中小企業診断士試験の中で、数少ない「知識をきちんと増やせば点が伸びる」科目です。愚直に泥臭くがんばってください!
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