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よく比べられるこの2つの資格(MBAは厳密に言うと資格ではなく学位ですが)。結局のところ、どっちを目指せばいいのでしょうか?中小企業診断士を和製MBAと俗に呼んだりもしますし、いまいち違いがわからない方が多いと思います。そんな疑問に、両方の資格を別々に取得した私が実態を交えてご説明します。
海外MBAが最強
もしあなたが英語が堪能で、財力もそこそこあるのであれば、海外MBAに行くことをおすすめします。世界中から集ってくるビジネスエリートたちとともに、最新の学術研究に触れ、切磋琢磨できる場は、海外MBAのほかはありません。
ですから、どっちがいいの?の前に、海外に行けるなら絶対に海外MBAを目指しましょう。海外MBAが最強です。
国内なら、両方取っておいたほうが良い(養成課程除く)
さて、ここからは海外に行ける殿上人とはちがい、一般的なビジネスパーソンに向けてお届けします。結論から申し上げると、MBAも中小企業診断士も両方取っておいたほうが良いです。なんでかと言うと、双方とも学ぶ領域は似ているのですが、半分近く重複しない箇所があるからです。
重複するのは、財務会計、ファイナンス、経営戦略、マーケティングなどのいわゆる経営学の王道とも言うべき科目。
しかし、MBAで学ぶM&Aの手法や経営哲学、ビジネスデータ分析、管理会計論、そして大学院だからこその修士論文(とその書き方)は中小企業診断士では学びません(経営法務でM&Aの一部をちょっとかじったり、二次試験で「読み手にとって読みやすい日本語」を書く力は身につきますが)。
逆に、中小企業診断士で学習する経営法務(法律的な考え方、民法、会社法、著作権法等)、経営情報システム、経済学、中小企業経営・政策についてはMBAでは学びません。
ですから、この2つは似て非なるものであって、相補関係にあるものと考えたほうが良いです。
ただし、両方取るのにも条件があります。それは
「中小企業診断士の養成課程とMBAが一緒になっているところは絶対に避けろ」
です。相補関係にあるのだから一緒に取ったほうが楽でいいように見えますよね?そこが落とし穴です。楽な道にいいことは一つもありません。ググればどこの大学で両方一気に取れるかはすぐに分かるのでここには乗せませんが。
中小企業診断士の養成課程は、一次試験に合格した後に「お金と時間さえ出せば」いけます。また、自分自身の思考の癖と嫌というほど戦いながら80分×4社=320分の2次試験をくぐり抜けていないため、まぁなんというか、「格下」に見られます。
MBAの方も、「なんだ、一緒に取っただけか」という見られ方しかしません。せっかく取ったのに価値が半減します。ですから、一緒に取ることは絶対に避けましょう。
中小企業診断士の後にMBAに行ったほうがとっつきやすい
では、どういう順番で取ったほうが良いかですが、私のオススメは
- 1次試験と2次試験(+面接)、そして実務補習を経て楽をすることなく 中小企業診断士 の資格を取得する
- その後企業内診断士あるいは独立診断士として活動してみて自分自身に足りないところを洗い出す
- 自分自身の足りないところ、鍛えたいところを重点的に鍛えることができるMBAを選んで通う(もちろん入学試験はありますよ!)
という3段階です。
なぜ中小企業診断士の後にMBAかというと、中小企業診断士のほうが経営学に対する「型」を身に着けやすいからです。なぜか?それは、国家試験であるがゆえに、ひたすら過去問と向き合う密度が濃いからです。過去問には、経営学の重要な論点や定石が数多く散りばめられています。それらに深く向き合うことで、経営学の基礎的な「型」が身につきます。型が身についていれば、MBAでとりくむ未知の領域の「研究」にも地に足をつけて取り組むことができる、というわけです。
これが、MBAを取った後に中小企業診断士を取りに行くと逆に大変かもしれません。MBAは大学院ですから、成績は出ますが授業で合否は出ません(あまりにひどい人は落第などあるようですが)。そのため、経営学に関する一定レベルの「型」を身に着けられるかどうかは自分次第になります。もちろん、課題も膨大ですし、必死に食らいつかないといけないのですが、やらなければいけないことが多岐にわたるので、かっちりと「型」を固めることは中小企業診断士よりは難しいと思います。
ですから、まずは経営学に関する「型」をしっかりと固めた上で、MBAに望むのがおすすめというわけです。
MBAなのか、中小企業診断士なのかについてはいろいろな意見があります。そして、それぞれ立場が違う方が様々な意見を言っているので混乱してしまうかもしれません。
私の立場は、企業で働きながらビジネススキルを上げ、副業制度を活用して将来的には法人の立ち上げもしたいと考えています。どういう領域で会社を作るかはまだ内緒(笑)ですが、企業で働きながらスキルアップをしていくのであれば、中小企業診断士を先にとって、その後MBAという流れが、一番スムーズに力をつけることができるのではないかと思います。
※ただし、MBAよりも中小企業診断士のほうが企業の中での評価が低いのも実態としてあります。両方取るのがおすすめですが、どちらか片方だけというのであれば、ご自身の務める会社の事情なども把握してから検討することをおすすめします。
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コメント
なかなか為になりました。
私は国内のMBAを今年卒業したので、腕試しに今年の中小企業診断士を受けます。
おっしゃる様に、重複する学問は6割程度でしょうか。
私も企業勤めしながら副業で企業を目論んでいます。
ありがとうございました。
コメントありがとうございます。
そうですね、通う大学院によってカリキュラムは違うと思いますが、おおよそ重複範囲は6割程度かと思います。
中小企業診断士の世界も独特なので別の面白みがあると思います。頑張ってくださいね〜。